前田栄作(フリーライター)
名古屋駅前のミッドランドスクエアは完成間近だが工事中、ユニークな形をしたスパイラルタワーの姿は、見当たらない。名古屋城の天守閣をよく見ると、金の鯱がない。これらの写真が撮影された時期を問われて、すぐさま返答のできる人はそれほど多くはないだろう。街は年々変化する。きょうも変化を続けている。上記の写真が撮影されたには2005年。50年前、100年前、150年前はどんな姿をしていたのだろうか。
熱田の泰文堂書店で「尾張名所図会」のパネル展が開かれている。なかなかの人気だという。尾張名所図会とは天保年間(1830〜1843)にこの地方の名所を詳細な絵とともに紹介した書物だ。いまを生きている私たちに馴染みの場所もたくさん載っている。しかし、名所図会の絵を見ただけで、それがどこを描いているのか、すぐに判断できる人は少ない。
それでも、今住んでいる場所や馴染みの場所が、昔はどんな風景であったのか人は知りたいと思う。
過去を知ることは単なるノスタルジーではない。過去から現在へと至る変化の大きさから、未来の姿を思い描くことにもなる。変化して行くことは大切だが、全ての変化がすばらしいとは限らない。そのまま残してほしいものもあるはずだ。
関連書籍
『尾張名所図会 絵解き散歩』 前田栄作 著
『写真家 寺西二郎の見た昭和』 名古屋市博物館 編
『なごやの古代遺跡を歩く』 服部哲也・木村有作・纐纈茂 著
『ドニチエコきっぷでめぐる名古屋歴史散歩』 中山正秋 著
『なごやの古道・街道を歩く』 池田誠一 著
【日記の最新記事】


