2008年08月27日

『尾張名所図会 絵解き散歩』

尾張名所図会 絵解き散歩
前田栄作(フリーライター)
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 名古屋駅前のミッドランドスクエアは完成間近だが工事中、ユニークな形をしたスパイラルタワーの姿は、見当たらない。名古屋城の天守閣をよく見ると、金の鯱がない。これらの写真が撮影された時期を問われて、すぐさま返答のできる人はそれほど多くはないだろう。街は年々変化する。きょうも変化を続けている。上記の写真が撮影されたには2005年。50年前、100年前、150年前はどんな姿をしていたのだろうか。
 熱田の泰文堂書店で「尾張名所図会」のパネル展が開かれている。なかなかの人気だという。尾張名所図会とは天保年間(1830〜1843)にこの地方の名所を詳細な絵とともに紹介した書物だ。いまを生きている私たちに馴染みの場所もたくさん載っている。しかし、名所図会の絵を見ただけで、それがどこを描いているのか、すぐに判断できる人は少ない。
 それでも、今住んでいる場所や馴染みの場所が、昔はどんな風景であったのか人は知りたいと思う。
 過去を知ることは単なるノスタルジーではない。過去から現在へと至る変化の大きさから、未来の姿を思い描くことにもなる。変化して行くことは大切だが、全ての変化がすばらしいとは限らない。そのまま残してほしいものもあるはずだ。

関連書籍
『尾張名所図会 絵解き散歩』 前田栄作 著
『写真家 寺西二郎の見た昭和』 名古屋市博物館 編
『なごやの古代遺跡を歩く』 服部哲也・木村有作・纐纈茂 著
『ドニチエコきっぷでめぐる名古屋歴史散歩』 中山正秋 著
『なごやの古道・街道を歩く』 池田誠一 著
posted by fubaisha at 22:52| Comment(13) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月07日

ただいま執筆中『おみくじと日本人』

おみくじと日本人
大野 出(愛知県立大学准教授)
 だれもが一度は引いたことのあるおみくじ。しかし、その歴史を辿っていくと、意外な発見がある。
 たとえば、江戸時代のおみくじには「ラッキーアイテム」が各番号に示されている。ところが、その多くは刀や太刀、弓矢などといった武具だった。時代を遡るほど、この傾向は強い。おみくじは武士に由来する占いであった可能性が高い。これだけでも、庶民的・大衆的という現代のおみくじのイメージとはずいぶん趣きが違うだろう。
 一方、幕末になると、家庭用のおみくじも普及している。家庭用のみくじ箱の設計図まで広く一般に普及していた。携帯用のみくじ箱というのもあった。夏目漱石の『明暗』の中にも出てくる。現存してもいる。
 江戸時代のおみくじには職業別判断もあった。おみくじから一年の運勢、さらには一生の運勢が読み取れるという読解法も、すでに江戸時代に確立されている。おみくじの漢詩は、暗号でもあった。
 このほか、おみくじと太陽信仰との結びつきなど、今まで意外に知られていなかったおみくじをめぐる諸相を盛り込んだ本にしたいと思う。(小社より2009年3月刊行予定)

*近刊のお知らせ――大野出著『老子の毒、荘子の非常識』が小社より2008年秋発売予定です。
posted by fubaisha at 14:21| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

名古屋の人文社会書籍出版社 図書出版 風媒社

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